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五十嵐先生の頭痛解説 About Headache

五十嵐 久佳 先生
五十嵐 久佳 先生
神奈川歯科大学附属横浜クリニック 内科学講座(頭痛外来)教授。医学博士。

北里大学卒業後、神経内科研究員を経てイギリスThe City of London Migraine Clinicへ留学。その後、北里大学医学部内科学講師を務めるとともに、北里大学病院の頭痛外来を担当。現在は、神奈川歯科大学附属横浜クリニックにて頭痛外来を受け持つ。




頭痛について一次性頭痛の3つのタイプ頭痛の予防と対策市販薬の使い方 頭痛の予防と対策
頭痛は様々な原因から起こります。頭痛の対策は、その原因を理解して解消すること、さらに日頃から原因をつくらないようにすることが大切です。
1. 一次性頭痛(慢性機能性頭痛)


何年もの間、繰り返し起こる「慢性頭痛」は、そのタイプによって対策が異なります。

一次性頭痛の3つのタイプ

  1)  片頭痛の予防と対策
片頭痛の予防としては、その誘発因子を避けることが一番です。また、ストレスを上手にコントロールし、バランスのよい食事をとるなどして、規則正しい生活をすることも大切です。しかし、いったん片頭痛が起こってしまったら、がまんをせずに早めにアスピリン等の痛み止めを服用しましょう。

■ 頭痛の誘発因子を避けましょう
片頭痛の予防には、その誘発因子を避けることが一番です。そのためにはまず、自分の片頭痛の誘因が何であるかを見極めることが大切です。
 誘因には、環境因子(人混み、騒音、におい、まぶしい光、暑さ寒さ、天候など)、精神的ストレス、空腹、寝すぎ・寝不足、食べ物(アルコールなど)、ホルモンの急激な変化などがあります。
 まぶしい光や騒音などの環境因子によって頭痛が起こる場合は、その誘因をできるだけ避けるようにしましょう。たとえば、日差しが強い日はサングラスをかける、人混みをさける、買い物は早めに出かけてお店が混まないうちに済ませ、電車など乗り物も混まないうちに帰るなど、工夫しましょう。

■ ストレスを上手にコントロールしましょう
片頭痛は、ストレスがかかっている時にも起こりますが、ストレスから解放されてほっとした時にも起こるのが特徴です。ふだんから仕事などによるストレスを分散させる工夫をしたり、運動などで気分転換をはかったりして、ストレスを上手にコントロールしましょう。

■ 規則正しい生活をしましょう
生活習慣が乱れているとストレスにも弱くなります。適切な睡眠時間をとり、毎日3食きちんと食べ、お酒の飲みすぎやタバコを控えるなど、生活習慣を見直すことも大切です。また、外出や旅先で頭痛がおきやすい人は体調をくずさないよう注意なさり、アスピリン等の頭痛薬を持ち歩くことも大切です。

■ 早めにアスピリンを飲みましょう
市販薬を飲む場合は、早めに飲まなければ効果が見込まれません。片頭痛が起こってしまった場合には、がまんしないで早めにアスピリン等を服用しましょう。前兆や予兆が現れた時点での服用も効果的です。片頭痛の頻度が少なく、アスピリン等の市販薬でうまくコントロールできていれば問題ありませんが、市販薬が効かない場合、痛みが頻回で1週間に2日は頭痛薬を服用している場合、痛みの症状が激しい場合などは自己判断せず、ぜひ専門医の診察を受けてください。

■ 片頭痛によい食べもの
食事と頭痛は密接に関係しているという説があります。片頭痛持ちの人の約30%がマグネシウム不足という報告がありますし、マグネシウムやビタミンB2を一定量摂取すると片頭痛予防に効果がある、という医学調査結果が報告されています。

<マグネシウムを多く含む食品>
大豆製品、ひじき、ほうれんそう、ゴマ、海苔、アーモンド、落花生など
<ビタミンB2を多く含む食品>
大豆製品、うなぎ、豚肉、レバー、牛乳、チーズ、ゴマ、卵など

ほかに片頭痛の予防効果のあるものとして、フィーバーフュー(和名:ナツシロギク)という菊科のハーブが知られています。
頭痛にはカフェインが効く?
軽い片頭痛なら、発作が始まりそうな時にコーヒーなどカフェインを含んだものを飲むと症状が軽くなることがあります。これはカフェインの血管収縮作用によるものです。一方、平日オフィスで1日5〜6杯のコーヒーを飲む人が、週末にコーヒーを飲まないと頭痛を起こすことがあります。これは、カフェインの禁断症状。普段からコーヒーを何杯も飲まないことが大切です。また、市販の頭痛薬の中にはカフェインが含まれているものが多いので、何錠も飲む人は注意してください。

  2)  緊張型頭痛の予防と対策
■ 筋肉のこりからくるタイプ
マッサージをしたり、ストレッチなどの運動、入浴などで筋肉のこりをほぐしたりして楽になれば、このタイプの頭痛です。頭や首・肩の筋肉を押さえると痛みが増します。特にパソコンを長時間使用する人は、同じ姿勢を保ち、目を酷使するため注意が必要です。予防としては、筋肉にこりが起こらないよう、1時間以上の連続使用は避け、首や肩のストレッチをしたり、席を立って少し歩いたり、遠くを見たり、お茶を飲んだりして気分転換をはかるとよいでしょう。一般的には緊張型頭痛の場合には、薬に頼らないほうがベターとされていますが、肩の痛みや頭痛が強い場合は、アスピリン等の市販薬を早めに飲むと痛みが和らぎます。

■ 精神的ストレスからくるタイプ
入浴や睡眠をとり、ゆっくり休養をとりましょう。ストレスを解消できるような趣味を見つけることも必要です。精神的ストレスからくる頭痛の場合には、頭痛薬は効果がありませんので、気休めに飲むのはやめましょう。この場合は、精神的ストレスをコントロールすることが一番の方法です。1ヶ月のうちの半分以上は頭痛がある、という人は専門医にご相談ください。

  3)  群発頭痛の予防と対策
群発頭痛は激しい痛みのため、市販の頭痛薬を飲んでもほとんど効果はありません。頭痛の専門医に診てもらいましょう。

  片頭痛と緊張型頭痛をあわせ持つタイプ
基本的に片頭痛の症状が出ている時には片頭痛の対処法を、緊張型頭痛の症状が出ている時には緊張型頭痛の対処法を行います。片頭痛の症状が出ている時に、緊張型頭痛の対処法(入浴、運動等)を行うと症状が悪化する場合があるので、注意してください。頭痛に悩まされる機会が多いので、ついつい頭痛薬を服用したくなりますが、それがもとで薬物乱用頭痛になってしまっては元も子もありませんので、頭痛薬の服用は必要最小限にとどめておきましょう。

2. 二次性頭痛(症候性頭痛)


■ 日常的に起こる頭痛
二日酔いや風邪などで起こる「日常的に起こる頭痛」は、原因を解消することで自然に治ります。

■ 脳や全身の病気に伴う頭痛
あきらかに「いつもとちがう」と感じたら、ためらわず神経内科や脳神経外科のある病院に向かってください。日々を追うごとに痛みが激しくなる頭痛や、急に激しい頭痛が起こった場合、頭痛以外に手足の麻痺や高熱を伴う場合には、一刻も早く医師の診察を受けることが必要です。

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