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| Vol.19 蛸壺の中の「オンリーワン」にならないで |
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エッセイスト、政治コラムニスト。1953年生まれ。慶応義塾大学卒業後、女性誌編集部を経て渡米。NY大学行政大学院修士課程修了。近著は『30代は女のベストシーズン!』(扶桑社)、『「だれかいい人いない?」といっているあなたへ』(講談社)など多数 |
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スマップは大ヒット曲『世界に一つだけの花』で、ナンバーワンよりオンリーワンになろう、と歌っています。ちょっと嬉しい歌詞ですよね。もっともっとと頑張り続けたり、いつも上のものを狙い続ける限り、永遠に心の平穏など訪れない。それより、自分の心地よさを大事にし、自分のテイストを貫き、世界にたった一人の自分を好きになろうよ、ということでしょう。
たぶん、今の世の中が不安定で、殺伐としていて、私たちの将来も見えなくて、ストレスも多くて、日常的に疲れているから、こんな歌がうまれたのだと思います。私は、最後の最後に自分を信じ、自分を認め、自分を好きでいることはとても大事だと思っています。 しかし、それと、何も努力もせず、他者の存在など視野に入れず、ひたすら自分だけがかわいい、というのとは違うと思うのです。それは、自分という小さな蛸壺に入っているだけ。中は、自分ひとりだから、楽だし、ヌクヌクして居心地がいいのです。なにしろ価値の基軸は「自分」なのですから、自分が不快と感じることは考えなければいいんです。
でも、これって本当にステキでしょうか。 私たちはこの社会に暮らす以上、他者との関わりなしには生きていけないんです。そしてそのなかでは、思いどおりにいかなかったり、人と比べられて辛かったり、失敗して絶望したりということがあるでしょう。 でも、それから逃げずに、自分の蛸壺に入らずに事態と向き合っていれば、物事はやがて好転するかもしれない。また、時がたてば忘れてしまうことを知ったり、悩んだことがたいしたことないと悟ったり、案外逞しく成長する自分に驚いたり、というプラス面もでてきます。
私は、そんなとき始めて「オンリーワンの輝き」が増すように思うのです。逃げのオンリーワンであってはならない、って思うのです。
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