自分が落ち込んだときあなたは何をしますか、という問いに対して「美味しいものを食べたり、飲んだりする」が圧倒的に一番だそうである。気のあった友人と食べながらワイワイやるうちに、多少のいやなことぐらいはもうどうでもよくなっちゃうのよね、ということらしい。次に多いのが、「マッサージにかかったり、エステにいったり」というもの。国内のスパつきのホテルで一人贅沢にゆっくり過ごす、なんていうゴージャスな人も。「思い切って買いたかった服を買う、ジュエリーを買う」という買い物に向かう人、「カラオケで盛り上がる」人、「車で高速をぶっ飛ばして行きたいところまで行って戻ってくるうちに、気分がすっきりする」と話す人もいる。そうそう、案外多いのが「布団をかぶって寝る」という人だ。眠って起きたら、鬱々した気分も軽くなることは確かにあると思う。私に限っていえば、美容院に行ってシャンプーをしてもらう、優しい友達にどうでもいい話の長電話に付き合ってもらう、逆に、友達に愚痴をいいまくる、などが多い。
しかしそれらは、落ち込みの原因が自分以外にあるときであって、明らかにその原因は自分にあるときは通用しない。落ち込みの理由が自分にあるときは、仕方ないからそれとちゃんと向き合うようにしている。取り敢えずその状況を受け入れて、どうすればいいかを考える。で、できることから実行に移す。「なんで私はちゃんとできないの?」を繰り返すのではなく、「こうすれば別の展開が開けるかも」と前向きに考えるようにするわけだ。
人間20年も30年も生きていれば、いいこともいやなこともあるのは当たり前で、大事なのは、そのいやなときをどう乗り越えるか、どう自分なりに消化するか、だと思う。そこで、切れてしまったりしてはおしまいだし、うまく乗り切ると、だんだん自分を上手にコントロールできるようになる。
もうひとつプラスなのは、いいときのありがたさや、笑顔の大切さがわかることだ。だから、笑顔がすっきりきれいな人は他人の苦しみを知っている人ではないかという気がする。
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| エッセイスト、政治コラムニスト。1953年生まれ。慶応義塾大学卒業後、女性誌編集部を経て渡米。NY大学行政大学院修士課程修了。近著は『30代は女のベストシーズン!』(扶桑社)、『「だれかいい人いない?」といっているあなたへ』(講談社)など多数。
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