喜怒哀楽の4つの感情のなかで、現代日本人に欠けているのは、第一に「哀しみ」の感情であり、次に「喜び」の感情であるという話を聞いた。そうかもしれない。
昔は大家族で、子供が小さい時に、おじいちゃんやおばあちゃんが亡くなるということはよくあった。私の子供の頃を思い出しても、家が貧しくて遠足にいけない子や、お父さんが亡くなり遠くのお母さんの実家に越していった子など、身近にかわいそうと感じた友達はたくさんいたものである。
そんな昔話はさておき、哀しみの感情だけが他の感情に比べて少ないとどうなるか。私たちは、たまに泣くことでバランスをとるそうである。涙が静かに、心のもやもややざわつきを整理してくれるというのだ。涙は、悲しい恋愛を扱った映画を観たり、感動的な物語を読んだ時や、友達の辛い話を聞いたときなど、割と素直にでるけれど、そういう時は、ただ泣けばいいというのである。
これは誰でも経験があると思うけれど、思いっきり泣いたあとはけっこうすっきりする。前に進めそうな気がする。きっと泣くことで哀しみに真正面から向かい合い、勇気がうまれるのかもしれない。もし泣かないと、というか、泣くことができないシチュエーションは、不安だったり、不満だったり、いらいらしてたりとけっこうやっかいなのである。哀しみのもうひとつのサイドには喜びがあるが、不安や不満のもうひとつのサイドには何もないからだ。
そういえば赤ちゃんは、大声で泣いたあとに笑顔を見せたりする。涙と笑顔はセットになっているんですね。 |
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| エッセイスト、政治コラムニスト。1953年生まれ。慶応義塾大学卒業後、女性誌編集部を経て渡米。NY大学行政大学院修士課程修了。近著は『30代は女のベストシーズン!』(扶桑社)、『「だれかいい人いない?」といっているあなたへ』(講談社)など多数。
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