天皇、皇后両陛下の中東欧諸国ご訪問のニュースに映し出される皇后陛下の笑顔の美しさ。
大変なハードスケジュールの中、日に何度も着替えられ、たくさんの人に囲まれ、さぞやお疲れだとお察し申し上げるが、あの優雅な笑顔を見るとホッとして、心が安らぐ気がする。
そういえば、皇室のかたがたはいつも柔らかな微笑みを絶やさないようにしている、という話を聞いたことがある。もっと言えば、人前では意識して口角をこころもち上げて、目は優しい眼差しをし、そのお顔を維持し続けるというのだ。何故か。そのお顔がいい印象を人に与えるという以上に、マイナスを防げるという意味もあるそうだ。
というのは、人は、自分が考えている以上に普段はボーっとした無防備な顔をしているからなのである。つまらなそうな顔、意地悪そうな顔、他人を馬鹿にしたような顔、ちょっと下品な顔、やる気のない顔、人を品定めしている顔、暗く沈んでいる顔、淋しそうな顔、無表情で空虚な感じの顔、そんなネガティブな顔をしていることはけっこうある。加えて、だらしなく口を開けていたり、二重顎になったり、目が半分しか開いていなかったり、ということもある。そう、かなりの確率であるのである。
いいえ、私はそんな自分の顔もかわいい、と信じている人があるかもしれないが、それは甘い。何故なら、私たちは自分の顔を普通は鏡の中でしか知らないからだ。そしてそれは、かなり気合の入ったいい顔をしているからだ。メイクをしながら、怒った表情をしたとしても、それはかわいい範囲だし、面白い顔をしたとしても、やはり意識したなかでのこと。決して、無防備な顔ではない。
というわけで、自分の顔は実は、自分の考えているレベルの70%のレベルくらいだと思っていたほうがいいのである。そして、その無防備を防ぐのは笑顔。意識して笑顔を作れるようになれば、その70%は85%くらいに引き上げられるかもしれない。
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| エッセイスト、政治コラムニスト。1953年生まれ。慶応義塾大学卒業後、女性誌編集部を経て渡米。NY大学行政大学院修士課程修了。近著は『30代は女のベストシーズン!』(扶桑社)、『「だれかいい人いない?」といっているあなたへ』(講談社)など多数。
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