かつて女性誌の編集者として働いていた頃、モデルさんたちから多くのことを教わった。そのひとつが、自分の長所を知り、それを効果的に見せるやり方だ。
例えば、彼女たちはモデルだから当然スタイルがいいが、その抜群のスタイルをどうすればさらによく見せられるかを日々研究している。スーッと見えるたち方、カッコいい脚の組み方、そのときの体の傾け方。
「ナルホドね。でも、私たちはどうすればいいのかしら。顔もスタイルも人並みなわけだし」
「笑顔よ。笑顔って、磨けばすごいチャームポイントになるわ」
彼女たちによると、自然の笑いについては、そのままでいいという。楽しそうに、明るく、あとは、その人なりに笑ってOK。問題は、意識的に見せるちょっとした微笑みの方である。これがすごく大事なのに、案外雑に、型どおりの笑顔をみせておしまい、という人が多いのだそうだ。しかし、この微笑みほど人を安心させ、時としてドキッとさせ、あなたの魅力を相手に植え付けるものはないのである。
私が最近印象に残ったのは、フィギアスケートの村主章枝選手の、演技を始める直前に見せる微笑みである。楚々とした美しい顔立ちの村主選手が、ふわっと微笑む。優しそうで、やわらかで、日本的で、いかにもはかなげな独特の微笑みだと思う。私は、あの微笑を見て、彼女の勝利を確信したが、もしあれが、西洋風のパキッとした笑顔だったら、何の印象にも残らなかったに違いない。村主選手は自分の魅力を最大限に引き出す笑顔を知っていたわけだが、それは私たちにも当てはまると思う。
ただ、笑えば、微笑めばいい、ってもんではないのである。
ずばり、どんな笑顔があなたの個性を引き出しつつ、きれいに見えるか。それを知り、実践できるかなのである。
そのためには、とりあえず、朝鏡に向かって微笑んでみる、なんていうのもいいかもしれない。
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